古風で地味だけど目につくロゴ・マークのデザイン

作風について
「恋酒末座」

酒好きな属性をアピールするために古風で地味だけど目につくロゴ・マークのデザインを考えました!このデザインを元に、地味だけど目につくポイントや理由を解説していきます。

今回のデザインの題材「古典からとる」

「恋酒末座」れんしゅすえざ

こちら「恋酒末座」と書いてあります。(右上⇨右下⇨左上⇨左下の順に読む)。

「恋酒」というキーワードは中国・唐時代の白居易(はっきょい)の漢詩からヒントを得ました。古典の言葉を参考にすることで、古風な趣が感じられます!

ちなみに白居易(=白楽天)は唐時代の代表的な漢詩人で、参考にした漢詩の原文は次の通りです。

愛風巌上攀松蓋。恋月潭辺坐石稜。ここです!
且共雲泉結縁境。他生当作此山僧。  

意味は、月が好きで潭辺(池のそば)の岩角に座って眺める。

好きということを「恋」で表現しています。この表現を真似て、「恋酒」という言葉を使いました。

「恋酒末座」の意味は「酒が好きな末座」です。今回は私自身のためのマークなので私の名前「すえざ(末座)」とテーマの酒好きを、「恋酒」という言葉に置き換えて素材にしました。

古典から真似たことで、現代であまり被らなそうなオリジナルの言葉を作ることができました。

今回のデザインの書体「篆書体」

今回は「篆書」という書体を用いて書きました。篆書体は漢字の中で最も古い書体であり、今の私たちが使用している楷書体から一番遠い存在です。古い書体を使うことで古風な趣を感じますし、非日常的で目につきますね。

篆書体の中にも種類があり、今回の素材は篆書の中では新しい「小篆」という部類のものを採用しました。特徴として「線が直線的で太さは均一、字の形は左右対称で縦長、脚長(下の部分の割合が長い)」などが挙げられます。ちなみに篆書ないし漢字の中で最も古い形は「甲骨文字」です。

私が篆書の中でもこの小篆を採用した理由は2つあります。

  1. 堂々としているように見える。
  2. 形をいじりやすい。
堂々としているように見えるから

小篆は「線が直線的で太さは均一、字の形が左右対称」という特徴があり、ここから「揺るぎない強さ」を感じることができます。

元々小篆が作られたのは中国の秦の時代で、始皇帝が臣下に作らせた文字なんです。始皇帝といえば「キングダム」でも描かれていますが、強大な権力を持っていて様々な政策を行った人物です。

始皇帝の政策の中に「文字の統一」があり、そこで「小篆」が作られました。作ったのは丞相の李斯と言われていますが、まるで始皇帝の揺るぎない力を示しているような、緻密で隙のない堂々とした書体なんです。

形をいじりやすいから。

制作者目線の話になりますが、、、

小篆は現代の私たちにとって複雑で解読困難ですが、一つづつの線を見てみると非常に単純な動きです。「直線で太さが均一」なおかつ「形が左右対称」です。こちらのやりようでいくらでも形を変化させることができます。

素材がシンプルだからこそ、制作者目線としては自由自在に表現することができるのです。

古風なマークには歴史的背景のあるものを活用する

世の中に目につくロゴ・マークはたくさんありますが、歴史のある素材を使うことで個性が生まれる一つの例を紹介しました。

「古風で地味だけど目につくロゴ・マークのデザイン」は以上です!

すえざ⬛️

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